醜状(しゅうじょう)の後遺障害
	交通事故により怪我をし、傷跡ややけどなどが残った場合、部位や程度によっては醜状(しゅうじょ)として後遺障害として認定されることがあります。
	外貌については、従来男女によって等級が区別され、女性の場合の等級が男性の場合よりも上位とされていました。
	 
	しかし、外貌について男女の区別を設けることは、法の下の平等に反するという下級審判決(京都地裁平成22年5月27日判決・判時2093号72頁)が出たのを受けて、労災も自賠責保険も男女とも同じ等級になるように改正されました。平成22年6月10日以降に発生した事故については,男女の区別はありません。
	 
	等級認定
	
		
			
				| 等級 | 認定基準 | 
			
				| 第7級の12 | 外貌に著しい醜状を残すもの | 
			
				| 第9級の11の2 | 外貌に相当程度の醜状を残すもの | 
			
				| 第12級の14 | 外貌に醜状を残すもの | 
		
	
 
	 
	「外貌」とは、頭部、顔面部、頚部のごとく、上肢及び下肢以外の日常露出する部分をいいます。
	外貌に「著しい醜状を残すもの」とは原則として、次のいずれかに当てはまる場合です。
	①頭部に手のひら大以上の瘢痕又は頭蓋骨の手のひら大以上の欠損
	②顔面部に鶏卵大面以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥没
	③頚部(首)に手のひら大以上の瘢痕
	※「手のひら大」には指の部分は含みません。
	 
	外貌に「相当程度の醜状を残すもの」とは、原則として、顔面部の長さ5センチメートル以上の線状痕をいいます。
	
	
	外貌における単なる「醜状」とは、原則として、次のいずれかに該当する場合です。
	①頭部に鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損
	②顔面部に10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3cm以上の線状痕
	③頚部(首)に鶏卵大面以上の瘢痕
	 
	いずれの場合でも、障害補償の対象となる外貌の醜状とは人目につく程度以上のものである必要があります。
	瘢痕、線状痕及び組織陥没であって眉毛や頭髪等にかくれる部分については、醜状として取扱われません。
	 
	また、上肢(手)や下肢(足)に関しても等級が認められる場合があります。
	
	
	等級認定
	
		
			
				| 等級 | 認定基準 | 
			
				| 第14級の3 | 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの | 
			
				| 第14級の4 | 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの | 
		
	
 
	 
	顔面醜状についての逸失利益については、否定的な考え方もありますが、接客業では影響が出ますし、サラリーマンであっても営業職であれば影響が生じることは否定できません。
	事故の結果退職して新たに就職する時には不利益が生じるかも知れません。この点でも当事務所で詳しくご相談いただいたらと思います。
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